解説
ひたむきに太鼓を打つ音が、遠く離れて暮らす家族の元にも届いた…
普通の日常に大きな感動がある。普通の言葉に涙がとまらない。 知的障がいを乗り越え全国2位に輝いた「瑞宝太鼓」の物語。
INCLUSION
= 包み込む社会。
障がい者が施設で暮らすのでなく、地域社会でともに暮らす。この考え方は、20世紀末から世界の動向となり、この方向性は、日本でも目指すべき社会の形として注目されつつある。カメラは、彼らの素晴らしい太鼓演奏はもちろん、日々の普通の暮らしを丁寧にすくいとる。それは、彼らが普通を手にするまでには、長い道のりがあったからだ。長い時間と長い闘いをへて、彼らはコロニー雲仙で「普通の暮らし」を手にすることができるようになった。普通の日常が呼び起こす大きな感動がここにはある。
「瑞宝太鼓」の各メンバー、その家族や恋人、そして、かつて息子と別れて長く辛い日々を送った母親までもが、ありのままの姿でカメラの前に立ち、自分が生きてきた道を語るとき、それはきっと、どんな文献よりも、優しく強く、インクルージョンINCLUSIONの世界を示すだろう。
「able」「Host Town」「Believe」で知的障がいがある人を見つめてきた、製作総指揮・細川佳代子と監督・小栗謙一によるシリーズ第4弾。
知的障がいがある少年2人がアメリカにホームステイする日々を記録した『able』、アイルランドの知的障がいの若い女性を中心にその家族を描いた『Host Town』、知的障がいがある人たちが撮影クルーとなって2005年スペシャルオリンピックス冬季世界大会・長野を記録するまでの物語『Believe』。本作は、それらに続く、製作総指揮・細川佳代子、監督・小栗謙一によるシリーズ第4弾である。シリーズ第3弾『Believe』で撮影技術を身につけ、以後も様々なシーンで撮影活動を続けている「Believe(ビリーブ)クルー」もアシスタントとして参加。「瑞宝太鼓」のメンバーと彼らが交わす会話からは、知的障がいのある人々の真実の想いが聞こえてくる。
家族と別れた過去も、幸せへの願いも、すべての想いをこの新曲に込めて。
プロの奏者として新曲をやりたい。「瑞宝太鼓」のその声に、世界的な和太鼓奏者の時勝矢一路氏は新曲を書きおろす。決して易しくはないその曲に体当たりで挑むメンバー。時勝矢氏もまたプロとして厳しい指導にのぞむ。映画は、「瑞宝太鼓」が新曲に挑戦する姿の中に、彼らの暮らしを描き出す。リーダーの岩本さん(34歳)は、6年前に結婚し、4歳の子供を育てている。知的障がいのある人が、普通に家族を持って暮らせるなんて、最初は誰もがそんなことができると思っていなかっただろう。“障がいがある人もない人も、同じ場所で、普通に暮らす”ことで生まれた絆、そして何より、ラストを飾る彼らの演奏には、思わず感動の涙とともに喝采を贈りたくなる。彼らの心からの太鼓の響きにぜひ耳をすませてください。 幸せの太鼓を響かせて ~INCLUSION~
厚生労働省社会保障審議会推薦児童福祉文化財
文部科学省特選[成人向き|青年向き] 選定[家庭向き|少年向き]
平成24年度児童福祉文化賞推薦
長崎県教育映画審議会特別推薦
監督:小栗 謙一
製作総指揮:細川 佳代子
able映画製作委員会:代表 近衞 甯子
音楽:時勝矢 一路
語り:萩原 聖人
出演:瑞宝太鼓を中心にコロニー雲仙の人々/時勝矢 一路
撮影:K.P.Marronとビリーブクルー/赤平 勉/千葉 真一
照明:小西 俊夫/大沼 静
Line Producer:花井 ひろみ
編集:小栗 謙一/井上 みず穂
整音MIX:藤林 茂
効果:岩波 昌史
撮影・照明協力:インフ/クリア
編集・録音協力:アオイスタジオ/DIOS
音楽録音:ボスコミュージック
プロダクション:DIRECTORS SYSTEM
協力:able映画製作委員会へご寄付をくださったすべての方々/社会福祉法人南高愛隣会(コロニー雲仙)
配給:ableの会/ムヴィオラ
上映協力:INCLUSIONを広める会
助成:文化芸術振興費補助金
製作:able映画製作委員会/ DIRECTORS SYSTEM
2011年作品/HDデジタル/ステレオ/106分
宣伝・配給に関するお問い合わせ:ムヴィオラ/WORLD SALES:pictures dept.
前売りチケットのお問い合わせ:ableの会
©2011 able映画製作委員会