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はじめに

『able』は、知的発達障がいのある青年2人のある日常を追ったヒューマン・ドキュメンタリー作品です。

1999年、知的発達障がい者のスポーツ活動を支援する、スペシャルオリンピックスの活動を紹介した報道特集番組が放映されました。制作担当の小栗謙一監督は、撮影を通じて知的発達障がい者と彼らを支える家族、ボランティアたちの熱意に深く心を打たれ、日本のもっと多くの人々に、彼らのありのままの姿を知ってもらおうと、映画『able』の制作を企画しました。


『able』(エイブル)文部科学省選定
2001年/35mm/color/ビスタサイズ1:1,85/101min/モノラル
監督:小栗 謙一
製作総指揮:細川 佳代子
撮影:K.P.マロン
音楽:トルステン・ラッシュ
製作:羽根石 実佳
演出助手:花井 ひろみ/細川 裕子/百田 佳恵
出演:渡辺 元、高橋 淳、 キャサリン・ルビ、マーク・ルビ
'01 毎日映画コンクール記録文化映画賞
'01 ぴあ好感度週間1位、
'01 サンタモニカDOCtober映画祭ベスト14ノミネート(アメリカ・アカデミー賞エントリー資格取得)
'02 アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭コンペティションノミネート
'03 キネマ旬報文化映画3位
ギリシア・テサロニキ映画祭招待作品
プラハ人権映画祭招待作品

監督からのメッセージ
映画製作の資金は、小栗監督の熱意と企画に賛同した細川佳代子の呼びかけによりable映画製作基金が設立され、全国から1500人以上の方々から募金が集まり、ついに映画製作が実現しました。
1999年の夏、アメリカのノースカロライナで行われたスペシャルオリンピックス世界大会で創設者ユニス・ケネディ・シュライバー女史がこんな演説をした。「障がい者はできないのではない。社会が彼らをできないと思って、できなくさせているのだ」と... 。私は、映画の構想から制作に至るまで、常にこの言葉が頭から離れなかった。それはこの映画の役割に大きく関係していたからだ。私達の社会が障がいのある人にとって優しいとは言い難い。法環境においても、都市構造においても、また人間心理の面においても、まだまだ目指さなければならない状況は、枚挙にいとまが無い。一歩街に出れば、その現実にすぐ気がつくのだが、いちいち腹を立て告発する映画を作っても哀しくなる。それならば、その先の可能性に目を向けて見てはどうか... 。
アメリカのホストファミリーに支えられながら三ヶ月にわたる生活をした渡辺元くんと高橋淳くんは立派にその大役を果たしてくれた。